せめて友のままに 白猫の夜
揺れる瞳を隠すように
かたく瞼を閉じまして
声に出すことなく手折った枝を
葉っぱでつくった舟にのせ
揺れる川面に浮かべてみますと
どこか胸のすく思いがしました
あなたが触れる手に熱を感じて
振り解けるほどの理性は無くて
あなたの口から溢れる友愛に
ひどく ひどく
心が痛んでしまうのです
あなたの左の薬指
眩しく輝く指輪がひとつ
代表スピーチは任せるわね、なんて
地獄へ突き落としたすぐ後に
舞いあがらせてしまうのだから
惚れたが負けとはこのことでしょう
そう あなたは友なのです
想いを告げればきっとギクシャクと
元の通りにはならないでしょう
あなたに微笑みかえされたいので
この想いには別れを告げて
せめてそのままでいられるように…
人に言えない恋をしました
決して罪ではないけれど
決して罪ではないのだけれど
この先ずっと苦しめるのならと
切り刻むことを選びました
人に言えない恋をしました
決して罪ではないのだけれど
私は罪だと思ってしまうから
小さく小さく切り刻んで
花の小枝を笹舟に乗せて
涙が一筋川に零れて
流れていくのをじっと眺めて…
神様という方がいらっしゃるなら
ここらでどうかお許しください