存在への恨み
空に突き刺さる
枯れ木があり
大地に燃える
ベンチには諦め切った枯れ葉が
見えない支配者を恨んで
舞い狂う
すべてのものは
あてのない怒りを
内に秘める
数千の目が
鋭く光る
ひとつのため息は
数千のため息となり
静寂のなかを染み透る
冷たく
冷たく
静を
保つ
老人が通り
若者が通る
あとには
冷たく研ぎ澄まされた
悲しみが
そっと残される
娘たちのざわめきは
一瞬こわばって
そこにころがる
来る年も
来る年も
見えない怒りは
じっと黙っている
その緊張が
何かを包み込む日を
じっと
息を閉ざして
待っている
気づかれず
存在への恨みは
この瞬間にも
復讐を用意する
神へ
自然へ
人間へ