Sunday Morning 上原有栖
ジリリリ 目覚まし時計の音
今日は日曜日 僕は伸びをしてベッドから起き上がる
もう用事は済んだから今日はゆっくり過ごせるだろう
洗面所で顔を洗って鏡を見たら昨日殴られた所に青痣が出来ていた
痕が残って朝からツイてない
目が覚めたら朝食の用意をする
食パンをトースターにセットして ベーコンエッグをフライパンで香ばしく焼き上げた
サラダとバナナを皿に盛り付けてからコーヒーをカップに注いで今日のメニューは完成だ
「それでは、次のニュースですが……」
キッチンで調理してる間に点けていたテレビでは
ニュースキャスターが淡々と昨日発生した通り魔事件の報道をしている
キャスターが伝える被害者は知人と同姓同名だった 顔写真は出ていなかったから本人なのかはまだ分からないな
食事を済ませて食器を洗っていると外の道路が騒々しい マンション前の道路を今日三回目のサイレンが忙しなく通り過ぎていく
身だしなみを整えた後に青痣をマスクで隠したら買い物に出かけることにしよう
重たいドアの鍵を施錠する時に
「グチャッ……ビチャッ……」
部屋の内側から湿ったものが落ちる音が響いた
僕はその音に一寸手を止めたが━━━━
何も聞こえなかったように部屋の鍵を半回転させた
黒のキャップ帽を目深にかぶった僕は足早にマンションの階段を降りていく
今日は『いつもの』日曜日
きっとお腹も減っただろう
食料(エサ)を買って帰るからね