おコゲの仕掛け まるまる
年の暮れ
楽しみだった 毎年
生家の庭で 餅つき
臼と杵 熱々蒸気のセイロのもち米
大人が杵をつき下ろす
子どもには おコゲ
従兄妹同士 並んでほおばった
今は家族のご飯を炊く
圧力鍋で 炊く
火力の具合で鍋底が
薄茶色に炊きあがる
おコゲのなりかけ
ほんの少し 固め
残さず食べるのは お姉ちゃん
弟は よける
美味しくないのかな おコゲ
弟はどうして 残すのかな
わかって食べるならいいんだけど
突然当たるとがっかりだよ
お姉ちゃんの解説
そうだ 思い出した
あの時もらったみんなのおコゲと
私のおコゲは同じじゃない
あの時もらった美味しいおコゲは
砂糖醤油の味がした
美味しくなるような仕掛けがあって
おコゲに笑顔が集まった
お姉ちゃんはおコゲを食べる
いつも黙っておコゲを食べる
仕掛けはいつも 自分でしてた
誰も気付いてあげられなかった
「我慢」っていう仕掛けで食べる
いつも自分で仕掛けて食べる