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スレッドNo.5459

思い出がいっぱい  松本福広

両手におさめられないいっぱいの飴玉
色も、味も、食感も、形もよりどりみどりで
ひとつも同じものはない。
例えば
透き通った涙のような飴を舐める。
ジャリっとした食感から苦い味。
寂しい気持ちがこみあげて
雨のようなたくさんの涙がこみあげる。
これは悲しい時の味だった。

お気に入りの服についている
ポケットにしまいたいけれど
溢れてしまうから
鍵付きの宝箱に閉まっておきたい。
それでも、
頻繁に鍵を開けて眺めては
どこかに置いて
いつの間にかなくしてしまう。
そんなこともしてしまうのです。
しまいきれない飴玉たちを
星が見えない夜空に放り投げたなら。

飴玉の粒をつなげて
もう会えない人の顔をなぞれるのかな?
会いたいなんて言っても届かないし
ワガママなのだろう。
飴玉の言葉を夜空に描く分には
きっと新しい夢の空になるから。

手の中に握りしめた飴玉
宝箱の中の飴玉
夜空になぞった飴玉
これから、きっとできる明日の飴玉に
私は「わたし」と名前を呼び続ける。

※字は違いますが、H2Oの『想い出がいっぱい』に寄せています。
タイトルでバレバレだと思います 苦笑

編集・削除(編集済: 2025年04月06日 11:48)

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