かたつむり
ああ、これが
「蛹」という名の
生き方かしら
渚に佇み
世間という名の
荒波を迎える
成虫になることはない
なると信じて
翼を授ける
ある日は鳥に運ばれ
ある夜は獣の背に乗り
人の背中で
ひそやかに花を咲かせる
ああ、これが
「希望」という名の
生き方かしら
でんでんむしむし
カタツムリ
お前の背中は
どこにある
電子の波が鳴いている
むしずの走る
湿った世界で
螺旋の殻を
静かに背負う
つのだせ
ヤリ出せ
目玉出せ
ジメジメしていて
歩みは遅いが
雨にも負けず
ああ、これが
「カタツムリ」という
生き方かしら