ことば 詩詠犬
芝生に寝っ転がって
空をみる
ああ 雲が流れている
鳥たちが 並んでとんでいる
気持ちよさそうだ
向こうから どこかでみた人が歩いてくる
山田さん? 中山さん? 渡辺さん?
と思っている間に 通りすぎてしまった
すぐそばに 小さな花が咲いている
なんていう花だろう わからない
けど なんとも言えず
美しい色をしている
そういえば 「なんとも言えず」と言いながら
「美しい」と言っている
でも「美しい」で 本当にいいのだろうか
わからない
ことばにしようとすると
なんだか とても もどかしい
その花にたいする想いは
私のなかに
たしかにあるのだけれども
そうだ
ことばにならないものは
いま ことばにしなくても
それで いいのだとおもう
いや
そのほうが いいのだとおもう