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スレッドNo.5577

花筏の恋  白猫の夜

あなたのせいよ
あなたがそんな目で見つめるのだから
わたし 恋をしたのだわ

あつくて あつくて
触れたら火傷しちゃいそう

あなたはひどいおひとなの
だってね
向日葵のような眩い笑顔で
獅子のような凛々しい顔で
春の陽気のような柔らかな空気で
わたしをその気にさせておいて……

ほんとにずるいおひとなのよ
根暗に生きるあたしが
眩しいあなたに焦がれてしまうことなんて
わかりきったことでしょうに

ふわりふわりと花筏
湖面に浮かんで
いずれ沈んでいくひとひらの恋

咲き乱れた先の行く末は
なんとも呆気のないことで
後先考えず突っ走ったゆえの
つけがまわってきたのでしょうね

でも 
このままじゃあまりにも
癪に触って仕方がないから

春を
この暖かな春を
春を
あなたに渡してあげる

春はね 夏に持っていけないの
だからきっと今のあなたじゃ手に余るわ
ねぇ その手のひらの春をおもって
いつかこの春に帰ってきてね

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