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スレッドNo.5590

ばくバク獏

ばくばくばく
僕は神さまに「人間を守ってほしい」
と言われて生まれてきた。
そのためには夢を食べて欲しいのだと。
そのために素敵な鼻を与えてくれた。
夢の川を溺れず泳いでいけるよう。
悪夢を掴んですぐに食べられるように。

ばくばくばく
人には僕のことが変な風に伝わっている。
神さまが僕が余り物を寄せ集めて作ったのだと。
人の夢はどうなのだろう?
僕に食べられてしまう夢は
あなたにとっては余り物だと思うのだろうか?

ばくばくばく
神さまは僕に話してくれた。
君の足はぬかるんだ夢も歩いていける立派な足で
君の目は闇夜のいろいろに
傷つかないようになっている目なのだと。
まぜ物と呼ばれた僕の体
僕の体に無駄なんかないのだと。

ばくばくばく
夜になると様々な夢が浮かび上がる。
闇を水玉模様のように飾るよう
溺れそうになる楽しいだけの夢
足を捉えようとする悲しい夢
夜中に人はたくさんの夢を見るから
食べきれないこともある。

ばくばくばく
神さまにひとつだけ食べてはいけない
と言われている夢がある。
希望と呼ばれる夢だ。
それだけは食べてはいけないと言われている。
難しい話だから分からなかったけど
それがないと人は死んでしまうらしい。

ばくばくばく……ばくばくばく……
今日もいっぱい食べた。
神さまが言うには夢を食べることによって
夢を忘れて頭の中に新しいものを入れられる
余白が生まれる。
さすがに僕も「よはく」の味は知らない。
ドーナッツの輪っかと同じ味なのかな?

希望……実はこっそり食べたことがある。
また食べたいな。

編集・削除(編集済: 2025年05月03日 01:09)

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