雨の千葉寺 小林大鬼
千葉寺は雨だった
中学時代の写生以来
記憶も何も残っていない
折り畳み傘も役立たない
ずぶ濡れながらお参りした
精神を病んだ中原中也の
晩年の療養先が千葉寺近く
どんな思いで監獄のような
苦しい日々を過ごしたのだろう
詩集を開く余裕はない
詩情に耽る時間もない
花曇りの古寺に
咲き始めた桜並木が
風雨に耐えて揺れていた
千葉寺は雨だった
中学時代の写生以来
記憶も何も残っていない
折り畳み傘も役立たない
ずぶ濡れながらお参りした
精神を病んだ中原中也の
晩年の療養先が千葉寺近く
どんな思いで監獄のような
苦しい日々を過ごしたのだろう
詩集を開く余裕はない
詩情に耽る時間もない
花曇りの古寺に
咲き始めた桜並木が
風雨に耐えて揺れていた