MENU
1,218,870

スレッドNo.5708

公園  相野零次

日曜日の公園で、僕らは運動靴で駆け回った。
ブランコに揺られたり、滑り台を滑ったり、登り棒を登ったりした。
僕らはみんな子どもだった。
三輪車に乗って、鉄棒で逆上がりして、世界は僕らを中心に回っていた。
今はどうだろう。赤信号は渡っちゃいけない。
踏み切りが鳴ったら入っちゃいけない。
そんなの誰に言われなくてもわかってる。当たり前だ。
そう、そんな当たり前のルールの数々が僕らを知らぬ間に大人に変えた。
子どもが大人になることはできても、大人が子どもになることはできない。
でもときどき子どもみたいにはしゃいだらやっぱり楽しい。
それは大人になっても変わらない。
変わらない世界で生きたい。望もうが望むまいが、世界はあるべき姿を守ろうとする。
なぜかそれが悲しいんだ。たぶん子どもの頃は望めばなんだってやれば出来る! って思ってた。
でも今はそうは思えない。頑張っても限界はあるし、頑張ってもたかが知れてるって思ってる。
それは間違ってる! 頑張って何ができるかは、子どもも大人も関係ない。
いつの間にか屁理屈ばかりになってしまった。自分がなりたい大人はこんなのじゃない。
だからこんなに悲しいんだ。今からでも間に合わないなんてことはない。
でもそう思える大人な自分がいない。きっといるはずなのに……
だから僕は思いだそうとしている。
幼かった頃、若かった頃の気持ちでいろんな詩を書いて。やってみたいと思う夢を詩に託して。
だからきっと、詩は今の生き甲斐のひとつなんだと思う。
さあ、もう夕焼けが綺麗だ。お腹もすいた。
母さんも晩ごはんを用意してくれている。
ブランコを漕いで靴を飛ばして明日の運勢を占おう。
それっ!

編集・削除(未編集)

ロケットBBS

Page Top