ナニカたちの世界 aristotles200
・予定調和という言葉、好きではない、そこに言葉の暴力を感じる
・調和は大切だ、しかし、予定とされた、強制された調和とは、もはや調和ではない
・調和の対義は、不調和、或いは軋轢、衝突、要は全体が整っていないの意
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・何故、私は調和という言葉を嫌うのだろう、全体への強制、普通の押し付けを感じる
・真綿で首を絞められるような感覚、世界は順調で正しいが、私一人違和感を抱いている
・勿論、私は慎ましく笑顔を浮かべる、調和を乱す者、社会の異端者にされたくはない
・永遠に調和は予定される、ある種の薄笑いを浮かべて、皆と同じように奇声を上げる
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・こここそ、狂気の世界である
・無意識の集団調和なるナニカが、個人を、社会を支配している
・ここでは私は衝突である、軋轢である、不調和である
・私は声なき悲鳴を上げる、ここは間違っている、皆、狂っている、薄笑いを止めろ
・微笑みの仮面を被ったナニカたちに囲まれた、私は絶叫する、助けてくれ
・悲鳴を上げながら街へ飛び出す
・瞬く間にナニカたちが追ってくる、同じ微笑みを浮かべている
・異分子は許されない、街中のナニカたちが私の周りに立っている
・何もしない、ただ、同じ微笑みを浮かべて待っている、ひたすら待っている
・
・私は
・私ではない
・間違っていたのは
・私だった
・ ⋯⋯⋯
・
・調和、世界は調和で出来ている、確たる予定された整った世界
・私もナニカである
・皆と同じ微笑みを浮かべ、同じ奇声を上げる、心は満たされている
・私たちはナニカである