欲望 鯖詰缶太郎
自分の心音を辿ると
蛇足のような地下鉄の
路線図を眺めるように
心がどう歪んで経巡ったのか
わかってしまうのです
暴力性が散見する自分の姿が
悪意にとらわれてしまった獣のようで
あなたの白い夏服に
僕がうつってしまうのが
とてつもなく いやだ。
引力が
あなたと引き合った
その大いなるあたたかさだけが
僕にもあなたにも必要です。
ねむるためにも。
おきるためにも。
健やかな欲望で
あなたを抱きしめていたいのです。
健やかな欲望で
「自由がほしい。」と
あいまいに踊るのではなく
しあわせになりたい と
朝飯のあとは
あたりまえのように吠えていたいのです。