2025年6月6日(金)から6月7日(土)までのご投稿分の評と感想 澤 一織
2025年6月6日(金)から6月7日(土)までのご投稿分の評と感想です。
○「しにたい」の底に 樺里ゆうさん 6月7日(土)
こんにちは。樺里ゆうさん。
お久しぶりです。樺里ゆうさんの詩を拝読するのは、5年前の「泣くこと」(2020年8月17日)以来です。
まず、二連一行目の投稿エラー対策の件、承知しました
ご自身の心情と誠実に向き合いながら書かれていますね。
口から漏れる「しにたい」は、「(漢字の)しにたい」という感情とはどこか異なる。なぜその言葉が出てしまうのか、その背景の出来事や気持ちを振り返りながら向き合い、言葉にしていますね。この振り返る作業をここでは自己覚知と名付けてみようと思いますが、この過程は、著者の置かれた状況によっては、大変苦しいことかもしれません。樺里さんは自身との対話を経て、咀嚼し、このように作品として昇華したのはすごいなと思いました。
そしてたどり着いた一つの答えが、五連。迷子だった感情を見つけましたね。
また、この箇所を一行で描いたのはとてもいいなと思いました。メリハリが付いています。
全体的に内容も構成も読みやすく気持ちが入りこみやすかったです。
この詩は、自分自身を抱きしめてくれる大切な作品ですね。
これからも素敵に磨きあげていただきたいです。
評価は佳作です。
ただ体調はご無理なさらないでくださいね。
今回も真剣にご自身と向き合っている詩をありがとうございました。
○ 風土、違う四季の一景を切り取る 松本福広さん 6月7日(土)
初めまして。松本福広さん
松本さんの作品を拝読するのは初めてなので今回は感想を書かせていただきます。
一冊の写真集を手に取り、想像と想いをめぐらせ、言葉に綴る。個人的にこの体験そのものがとても貴重なことだと感じました。補足で参考文献を載せてくださったので、近所の図書館で借りて観ようと思ったのですがありませんでした。でも、それで良かったのかもしれません。松本さんがこの作品で描いてくださっている。
いきいきとした冠水した水の都の人々の様子、表情、営みが。そして写真には映らない冠水の影響を受けた街や人々の姿、復旧活動を行う人々のことも、「うん。今日はいいかな」と観光客(写真の読み手)の視点から丁寧に描写されている。知識任せではなく、心で書かれていますね。最後の最後まで読み応え十分でした。
個人的に、僕は20年前に一度イタリアに行ったことがあるのですが記憶力が悪くてあまり覚えていなくて。ただ「青の洞窟」だけは覚えています。
松本さんの作品を拝読して、僕も何かの作品を読んでじっくりと想像と想いをめぐらしたいなと思いました。そしてヴェネツィアに行ってみたいなと思いました。ただ流石に実際行くのは難しいので写真集を手に取ってみますね。
素敵な作品をありがとうございました。
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以上です。
お二人とも詩に心が乗っていたと思います。
僕自身が学びになりました。今後とも学ばせてください。