フォト 喜太郎
街中に立つ中年の兵士
私はカメラを向ける許可を求める
兵士は少し笑いながら許してくれた
少し離れて 微笑む彼を被写体に収めた
データをプリントアウトして
写真を手渡すと彼の微笑みが笑顔に変わり
私に手を差し出してくれた
握手をした彼の手は大きく力強かったが
彼の屈託のない笑顔の瞳の中に
人としての優しさを感じた時
軍服や肩から下げた黒光りする小銃 腰にあるピストルでさえ
私にはそれらが本物にはに見えなかった
そこには緊張感が溢れているはずなのに
ただ兵士の笑顔だけが全てだった
彼は今を生きていて 明日の事は偉い人が決めるのだろう
僕も今を生きていて 明日の事は自分で選択できそうだ