感想と評② 8/26~8/29 ご投稿分 三浦志郎 9/4
10 もりた りのさん 「片足立ちの鶏」 8/29
筆致は男性的にして勇壮。詩のキャラクターから言って、これでいいと思います。
ただ、この詩は額面上は普通に読めるのですが、この詩の背景にあるものが何なのかがわかりません。4連の主旨によると「鎖に繋がれているくらいなら、一本足のほうがマシ」の理由は何か?終連の主旨はどういった事か?―がわからないです。ただその理由は終連に集中しているようです。「あいつ」とは何か?何故、右足を失くしたほうがいいのか、「あいつ」には敵意を持っているようです。「鶏~敵意」となると「闘鶏」(現在は多くの県で禁止)が思い浮かぶのですが、それならば、足首を失うのは敗北に等しい。というわけで背景がわかりません。最後に何か注釈を付けた方がいいと思います。評価はパスさせてください。
11 朝霧綾めさん 「まるい夜」 8/29
なかなか良いフレーズが多い詩です。「大人びた濃紺の夜」「夜はおかあさん/私たちはその子供~平等な丸い世界」「夜が微笑みながら去ると/まぶしい朝が」「まるくするために~学校に行く」など、なかなかいいですね。夜と朝について何かしっかりしたイメージを持って書かれているのを感じました。ここで言われている「夜のまるさ」について考えてみます。
朝(昼間)=仕事・学校などのアクティブ。 夜=安らぎ、解放、静寂。大雑把にそんなイメージがあって、一日の終わりを丸くするために、人は朝出てゆく、そんな側面は考えられそうです。その象徴としての最後のセリフでしょうか。終わり方、印象的。これでいいと思います。佳作を。
評のおわりに。
トンボ・森・向日葵。今回、評者にとっても身近な素材があったことを嬉しく思っています。
夏に相応しいアイテムでありました。ところが、すでにしてもう9月。
自分的なスケジュールで言うと、少し落ち着いてきたフィーリングですな。 では、また。
今回BGM 「ラベンダーミストの女」 「ボサノヴァ・ビーチ」