鷺草の花 荻座利守
行く夏を追うように
遠い空へと
無情に飛び去る
鷺草の花
そっと触れるだけでも
壊れてしまいそうな
そのこまやかな花弁は
ゆく夏とともに
去っていった
あなたの寂しげな
微笑みのよう
何ひとつ
言葉を見いだせなかった
あの夕暮れに
長く伸びた影の中で
淋しく揺らめいていた
白い鷺草の花が
もう手の届かない
思い出の彼方へ
消えてしまっても
私は今でも
夢の中で
あなたを想う
行く夏を追うように
遠い空へと
無情に飛び去る
鷺草の花
そっと触れるだけでも
壊れてしまいそうな
そのこまやかな花弁は
ゆく夏とともに
去っていった
あなたの寂しげな
微笑みのよう
何ひとつ
言葉を見いだせなかった
あの夕暮れに
長く伸びた影の中で
淋しく揺らめいていた
白い鷺草の花が
もう手の届かない
思い出の彼方へ
消えてしまっても
私は今でも
夢の中で
あなたを想う