旅立ち 香月
いかないで、といえたなら
きっと、貴女を喚んだだろう
もどっておいで、といえたなら
きっと、その背を追っただろう
それでも別れはあるもので
気付けばそこに、貴女はいない
羽ばたく鳥に
季節の花に
貴女の愛した品々に
貴女を愛した人々に
のこった心を探してあるく
見せたい写真がありました
伝えたい歌がありました
ともに夢見た願いもあれば
ぽかりと寂しさもあいています
いつか貴女に届いたならば
また、言葉を交わすことができるでしょうか
貴女のみちゆくその先が
私の知らないその場所が
貴女に優しくありますように