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スレッドNo.5891

星の夜明け  白猫の夜

星をめざして
夜空への階段を登って行くの
一段 一段
足を離したら消えていく
乳白色の星の階段を
一段 一段
登っていくの

足元を見ればはるか遠くに
月が照らす海原が見えて
波止場で誰かが
僕に向かって手を振っている

振り返してみようか
おおきく おおきく
はるか上の星に負けないように
波止場の誰かに気づいてもらえるように
おおきく おおきく
振り返してみようか

波止場の誰かは一瞬腕を止めて
だけどもういっぺん
おおきく おおきく
それはもうおおきく
手を振り返してくれたのです

どこかしら心が軽くなって
ふと 前を向くと
いつのまにかてっぺんに着いていて
のぼりきった先に広がる
細かな星の欠片たち

少し名残惜しい気がして
最後の階段に留まって
ちらっと波止場の誰かを見ようとすると

キランッと誰かの涙が光って
その雫が海の底へ落ちていって
それを手のひらですくうかのように
ふわりと 陽が顔を出しました

輝く星々を包みながら
太陽は朝を知らせます
星々は太陽に包まれながら
それそれが大切な人を眺めて
シャランと笑顔を浮かべます

僕も一緒に包まりにいこうと
波止場の誰かに大きく手を振る
最期の階段から足を離して
僕も夜空へ仲間入り

あぁ……眩しいね
ほらみて!
誰かの夜が明けたよ!

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