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スレッドNo.5923

永遠の伸縮  温泉郷

最初はお月様
いい香りの
珈琲と休日

ごめん!
少しこぼした
カーペットに

「なんてことを!」
突然の変調
乱調の兆し

こちらの血管も過熱
言い返す?
言い返さない?
でも
また 壊れてしまっては

**

ごめんね…

涙をためた瞳
の先に
カーペットの
褐色のにじみ
がちょうど
君のすきだった
白猫の
柄を汚していた……

わたしは
心の急制動

車椅子を押してくれた
あのときの
手の優しさ
ほめられた
窓際の
よく育った豆苗

君はしずかに
カーペットの
汚した猫を
拭き始める
とても しずかに

食卓のゆで卵の
ちょうどいい硬さ

君との距離は
星の輝きと
ブラックホールの間の
繰り返す
永遠の伸縮

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