陸続と 三浦志郎 7/11
かつて
異風な言葉を
書物で覚え
なぜか
時に想い出すことがある
「陸続と」
この言葉は
島国・日本の国土風土には似あわない
大陸にこそふさわしい雄渾
たとえば
秦の始皇帝巡幸の徒列
あるいは
モンゴル帝国 チンギス・ハンの騎馬軍列
どちらも
勢威を示す
深紅の旌旗を先鋒に
続く夥しい数と時間の形容
「続々と」
日本ではこのように
言葉として育った
―かもしれない
今昔に
陸があってこそ
続く物事を考えていた
長さ 重さ 形 数 時間
過去から未来へと続くもの
それは
この世にあまねくある と
今も絶えず進んでいる と