洗濯物的日曜日 詩詠犬
日曜日の朝
洗濯物を干した
黄色や緑のシャツやパンツ
その向こうには
公営住宅がみえる
そして その向こうには
うす青色の空があり
その上には灰色がかった雲が
浮かんでいる
日曜日の朝の気分
洗濯物の匂いのような 朝の気分
これまで何度 この気分をあじわったことだろう
小さい頃は
野球教室や世界の旅が
ブラウン管に映っていた
今は ほとんどテレビをつけないが
頭の中で 依然その音が鳴っている
とりたてて 何がどうということはないのだが
無性に 虚しく哀しいのは
なんでだろう
昼前になると
炒飯の匂いが
午後の憂鬱を連れてやってきた
そして その憂鬱は
汚れたティッシュのように
わたしのなかに
徐々に折り重なっていった
やがて 辺りは
暗く沈みかけ
わたしは
夕日のホリゾントをバックに
ひとり 佇んでいた
そして 私は
いまも ひとり
夕日に 佇んでいる