夫婦の運命 津田古星
毎日同じ屋根の下にいたら
相手の嫌なところも見える
相手も私の嫌なところを見ている
だったらお互い様だね
夫婦は一心同体とか
いえいえ そんなことはない
わたしの心はわたしのものだし
わたしの身体はわたしのもの
他愛のない会話や事務的な報告
それで毎日が過ぎてゆく
何で二人は結婚したんだっけ
何で人生を共にしているんだっけ
苦しく困難な時
わたしはあなたの誠実な姿勢と
へこたれない強さと
家族を思うやさしさに
頭を下げ
あなたはわたしの
素早い決断力と
確実に物事を処理する能力を
認めてくれたから
車の両輪のように働いて
前へ進めてきた
その歴史が夫婦ならば
まあ合格点をつけても ばちは当たらないね
と思っていたら あなたが
人として最高のふるまいを見せた
75歳にして自分を省みず
人の命を救うという行動を
わたしは こんな日が
いつか来ることを
実は知っていた気がする
だから わたし達夫婦なんだね