荻座利守様 評のお礼です。 荒木章太郎
拙作「虚無主義にはなりたくない」を丁寧に読んで下さりありがとうございました。ご指摘いただいた、8連、11連、12連につきましては、私の力不足と推敲不足を痛感致します。本作が、宗教を批判している詩ではないことを示すために「剥製のワニ」を信仰の皮肉の象徴であり、情報社会における偶像でもあるというように多義性を持たせて表現したことが、詩を困難にした要因の一つです。
親父=仏教、俺=キリスト教、 情報化社会=都市伝説、占い、科学、を表したつもりでした。最近の量子力学の理論は仏教の言っていることと共通するところがあるという話も聞きます。そんな現代社会において「俺」が虚無主義にならぬよう悪戦苦闘する様を描きたかった。「剥製のワニ」ではなく「本物のワニを焼く」ことは、社会風刺的なパンチを込めたつもりだったのですが・・・。
私の場合、もっと読む側の気持ちに立って推敲しなくてはならない。そういう意味では、作者である私が、本作を終わらせることに焦ってしまったのだと思います。今の私の力では一週間で仕上げられるテーマではなかった。精進します。