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スレッドNo.6030

恋が終わるとき  相野零次

あるとき突然始まった、恋。春と連鎖反応を引き起こして昇華してゆく。
嵐に吹き飛ばされながらもひとつのところへ凝縮しようとする。そんな恋。
海から押し寄せる波のように、圧倒的な質量で僕と君を包み込む熱い恋。
アイスクリームが溶けてしまうまえに、華麗に泳いで君へ辿り着こう。
 それは僕の心の小さな、ごくわずかな一点から始まり、君の元へ行こうとする。秋の花粉みたいに。
君がくしゃみをしたら、精一杯散らばって、また僕の心に還ろうとする。僕は静かに微笑んだ。
冬、恋はどこかに身をひそめている。辺りは静まりかえっている。僕と君は肩寄せ合って散歩している。
ほら、ごらん。冷たい恋が降ってきたよ。マフラーなんていらない、僕の腕のなかで温まって。
 聖なる光がまっすぐに伸びて、僕と君はそこから共に歩いていくと誓った。
 その瞬間、二人の間に無限にあった恋はいっせいに愛へと変わった。
 成就した恋は愛へと変わる。
 そして誰もが二人を祝福する。

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