青の証明 松本福広
青い空
異国と繋がる空はばたくため
彼らの若きひと時が散る
同じような青い空を眺めて
時代も繋がるような錯覚に
青が散らばる
(第一陣世界大戦以降、世界的に航空機の需要が高まる。日本も例に漏れない。旧海軍はより若いうちから基礎訓練を行い熟練の搭乗員を育てるため14歳から17歳までの少年を全国から試験で選抜して基礎訓練を行う予科練習制度を始める。)
青を目指して
青に大義を抱く
時代の小さな雫
絞られても
雫は日差しに煌めき
地面を濡らす
(予科練の一日は管理されたもので、寝る場所は吊床と呼ばれるハンモックのような移動も駆け足だったとのこと。)
一葉の写真に残された
笑顔の少年(※1)
もしも
時代を超えて
同じ青があったとすれば
きっと
その証明は
彼の表情に
(予科練の厳しい生活の中の憩い。例えば、酒保があげられる。旧日本軍独特の名称で、売店のことです。日用雑貨や菓子類、うどんやお汁粉などを販売している売店で、夕食後が「酒保開け」となり、温習までの自由時間に利用することができた。)
時代が違うはずの
見知らぬ彼が
どこかで見た少年に重なる
ひたむきな彼と
変わらないように見える
青が変わらない証明を
彼が望んだ戦争の「終わり」と
たった今ある平和が結ばれることを。
【補足】
※1
載せた写真。酒保の饅頭を運ぶ少年。饅頭の匂いに表情がほころんでいる。
土門拳 撮影 『酒保開』
※2
茨城県稲敷郡阿見町「予科練平和記念館」
https://www.yokaren-heiwa.jp
訪問にて書いた詩です
今回は感想のみでお願いします。