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スレッドNo.6090

砂漠の心  荒木章太郎

蜃気楼のなかで
夢み 働き 愛していた
すべては駱駝の背で閉じられる
二つのコブは 自らを支える山

渇く民は
虚無に沈まぬよう
強き父を望んだ

だが 待っていたのは
裁き 捌き 砂漠
荒れ果てた心身は
耕されぬまま
生き延びるために
奪うことを選んだ

略奪から取引へ
取引からまた渇きへ

慈しみを知るためには
自己完結を壊し
他者のまなざしに触れるほかなかった

海の君と出会ったとき
砂漠は海辺に
潤いを映した

潮風に香る黒髪から
恋し 愛し そして捧ぐ
「すべてを捧ぐ」という
俺に概念が生まれた

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