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スレッドNo.6113

猛獣と死神

夜道を亡霊のように歩いていると、
片足をぐわっと引きずった犬が、
皮膚が焼きごてを押されたようにただれた犬が、
死神のようについてくるのが見えた。

私はどこへ向かっているのか。

蛍光灯がじっとり照らす舗道は、
存在を誰にも知られない草を浮かび上がらせ、
じゅくじゅくした死臭をただよわせ、
知らないどこかへ続いている。

この先は闇だ。
それは、わかっている。

獰猛な獣のような月が、
目をぎりぎりと充血させながら、
私の行く先をふさいでいる。

その先には闇、後ろには病んだ犬。

ぶわぶわ震える声で、
強大な月に自身のアイデンティティをかけて、
腐敗し始めた歯を向けながら、
犬は吠え続けている。

これが、勇気というものか。

犬の小さく萎れたしっぽが、
私の震える足先に触れたとき、
この犬といっしょにどこまでも闇の中を進もうと思った。

たとえこの月と、全世界と戦うことになったとしても。

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