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スレッドNo.6116

偏頭痛のあと  人と庸

今日の夕空もうつくしかった
カナカナが鳴いて
ヤマバトが鳴いて
よいものはすべてそろっていた
ただ まだ少しだるい体と
よその家はより四角く見えるという妬み
涙ではれぼったい目と
明日からまた世界の授業を受ける物憂さ
それらを感じる以外は まことによい夕方だった

何か書いてと点滅しているカーソルのように
痛みは左のこめかみで 自分の仕事に忠実だった
そのために私は仕事に行けず
家事もできず おいしいものも食べられず
光も音もさえぎって この日は
世界とすこし距離をとる
薬ものむ 何もかもに鈍感になるように
でもいちばんの味方は氷
カーソルの点滅を遅らせて
打たれる文字を曖昧にしてくれる
そのすきに眠りへ逃げ込むのだ

眠りからぬるりと這い出すと
カーテンが受け止めている光は淡い
今日の夕空はどんなだろう
わたしはいつもの場所にいないけれど

誰もこないこの部屋に
光だけは わずかなすき間から
カーテンの繊維の間から
じわりと入り込んで空気とまざる

まざり合ってできたその色を
わたしはまだパレットに溶くことができなくて
ひとりで寝てひとりで目覚めた今日
世界はみんなからどんな質問をされていたか
それさえもわからないから
惰性でよれたシーツの皺の間でもう一度眠る

(そして 世界の授業に遅刻する夢をみた)
(夢は予行演習という)
(わたしは明日は)
(世界と相対する気持ちでいっぱいらしい)

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