MENU
1,461,720

スレッドNo.6167

評ですね。8月29日〜9月1日ご投稿分  雨音

お先に失礼いたします。

「祈りの声」ゆづはさん
ゆづはさん、こんにちは。暑い毎日が続きますね。
詩を書く意味、詩を書くきっかけ、詩を書き続ける思いって、きっと個人個人が違いますし、そして同時に変化していくものですよね。同時に自分の中でずっと光を灯すようなことでもあります。そんな思いの詰まった作品ですね。一般論として読むこともできますが、淡々とした口調の中は、自分と向き合う祈りの声でした。とくに四連目が素敵です。これは詩を書き続ける、という決意であり、ご自身の詩に対する愛情でもあり、直すようなものではないですし、このままのゆづはさんの思いが素敵だと思います。一つだけアドバイスするとしたら、冒頭一連目と二連目を入れ替えてみるのも良いかもしれないなと思いました。ポジティブな連で初めて少しトーンダウンする方が引き込まれやすいかもしれません。ご一考くださいね。

「青空の事」多年音さん
多年音さん、お待たせしました。
この作品冒頭、ダイレクトに「青空が好きだ」と言っているのかと思いきや、実はそう書くのを躊躇うのだという。そしてその理由も秀逸です。この発想がとても個性的で素敵だと思いました。さらに続く希望と田んぼの畦道で両手を広げたい、そこでようやく青空になるというのもすごくいいです。その後の展開もいいですね。とてもうまく構成されていますし過不足なくバランスの良い作品だと感じました。佳作です。この作品の最も良い点は等身大であること、そして、肩の力が抜けている事です。さりげなく書かれていますが、小さな物語としてドラマチックでもありました。

「正気の沙汰」aristotles200さん
aristotles200さん、こんにちは。お待たせしました。
タイトルが面白いですね。どんな正気の沙汰が出てくるのかなと興味をひかれました。これは顕在意識と潜在意識なのかななんて思いながら拝見しました。人の意識の95%あまりは自覚していない潜在意識なんですよね。それが作品に出てくる「深層心理」を意味しているのかななんて思いました。自覚していない分、じわじわとしたぼんやりとした不安、はとても人を苦しめるのかもしれません。そんな自分の深い部分に横たわる部分を描いた作品で、同じような苦しみを持つ人たちに寄り添うものだと感じました。その深い部分をまっすぐと見つめ表現されていますね。佳作一歩手前です。この作品は負の感情というのものがしっかりと描かれていますが、ほんの少し引き算をしてみるともっと伝わりやすくなると思います。次々に現れる表現に少し迷子になってしまう読者もいるかもしれません。八連がとても良いので、そこを生かしたまま、少し抑え気味の後半にするとバランスが取れるような気がします。ただ、これはもう好みでもあるので、ご参考までに。

「備蓄水」上原有栖さん
上原さん、こんにちは。お待たせしました。
タイトルがとてもいいですね。パッと見てそう思いました。そして出だしも良いですね。そしてそして内容もすごく良いと思います。佳作です。ちょっとだけおまけですが、でもこの作品に流れている静寂さがとても心に残ります。この作品はこのペットボトルのように、いっぱいになっていて、足りないと勿体無いし、これ以上だと溢れてしまう、そんな絶妙なバランスになっていると感じます。備蓄水というタイトルも読み終わって改めて読むとさらに良いものであることに気づきました。ちょっとだけおまけの部分、とても細かいことを書きますが、「容器が嘘偽りなく一杯になると」は少し緩めにしてもいいかもしれません。冒頭なのでさりげない方が音が立たないように思います。例えば、「容器がなみなみと満たされると」とかほんの少し変えるだけで夜の静けさにより収まるような気がします。それと、最終連です。最後にもう一つあるといいかな。その儀式を並んだボトルが眺めている、とか、そちらに締めくくりを預けるのもいいかもしれません。一言も悲しいとか寂しいとかそう言った感情は描かれていませんが、伝わってくるものがあり、それが素晴らしいと思います。

「祈り」水井良由木さん
水井さん(であっていると良いのですが)、お待たせいたしました。
大変筆力がある作品になっていると思います。テンポも良いし、骨組みがしっかりしています。この作品は「祈り」というタイトルですが、祈る側からの作品ではなく、祈りを受け取る方の視点から描かれています。それは神なのか、自然なのか、とにかく大きな対象です。その先にあるのは何か、そんな部分が見えてくるとさらに良い作品になると思いました。もしかしたら、今起こっている戦争への批判かもしれませんし、自然への賛美かもしれない、そんなことを想像しながら拝見しました。

「病」荒木章太郎さん
荒木さん、こんにちは。
とても良いですね。この作品の背骨の部分がとても素敵です。佳作です。佳作なのですが、この作品は少しだけ時間をおいて推敲し直してみてください。もっとよくなると思います。良い点はたくさんありますが、何よりも、怒りと空腹、そして、自分を飲み込んでいるにも関わらず、いや、だからこそ手放していくものがある、そして手放す自分を敬っていく、その過程がとても素晴らしいですし、大きなメッセージとして読む方に伝わると思います。推敲してみて欲しいのは、二連と四連のタイミングです。二連で腹を鳴らしたとあるので空腹なのかなと思っていたのですが、四連で改めて空腹に変わっている、その部分が少しだけ矛盾しているように感じました。目まぐるしく腹を直撃した、とかでもいいかもしれないななんて思います。この辺りは荒木さんがどういう展開にしたいのかというところを合わせて調整してみてくださいね。時間を少しおく方が良いかもしれません。とても良い作品でした。

「飛ぶ心」相野零次さん
相野さん、こんにちは。今回のトリは相野さんです。(トリだけに飛んでいる!などと思ったことも付け加えておきます)
すごく素敵な発想で、前半が素晴らしいですね。ときどき地面に心を強く打ちつける、からの二文がとても心に残りました。相野さんの個性なのかな、冒険心と躍動感を感じます。佳作一歩手前です。一歩の部分ですが、僕の心の一部が生まれ変わるわけですが、残りはどこにいるのかな、残りが生きている僕の中にいて、誰かと出会うわけなのかな?もしそうだとしたら、輪廻転生というわけではなく、なんだか矛盾が生まれるような気がしています。ただ、その矛盾も含めてありなのかもしれない、という思いもあります。きっと相野さんの中には明確なストーリーがあると思いますので、それがきちんと伝わるように書けているかだけ確認してみてくださいね。それと、何度も書いているような気がして申し訳ないのですが、最終行が勿体無いです。ここに「僕らはきっと何度も出会ってすれ違っている」って繰り返すだけでもだいぶ変わります。その辺りも含めて、推敲してみてくださいね。

::::

お彼岸が近づいているというのに一向に暑さが緩みませんね。
それでも夜はやっぱり涼しくなってきて、秋がやってくるのが待ち遠しいです。
季節の変わり目、皆様どうぞお身体ご自愛くださいね。

編集・削除(未編集)

ロケットBBS

Page Top