水滴 aristotles200
雨が降っている
水滴が無数の雲で生まれ
地上で合わさる
雨が降っている
雲から大地まで
一滴の水滴は世界を表す
同一化した
無数の水滴の見る夢は
天から地までのパノラマとなる
異質化した
無数の水滴が見る夢は
現象と実存を秘めた異世界となる
水滴の内面に潜む
異なる個性は均一化される
同時に
一滴の映す世界は
多様性と個性を主張する
一滴の雨を私とする
無数の私が、地表を目指す
その瞬間に
私は私たちとなる
私は私だけの唯一性を示す
それぞれの一滴は
全て、多様化した私であり
内的に独立している
✳
私は、私らしく展開しよう
一滴の雨であると自覚した私は
落下する私でない私たちを
必然的に異物と知る
その瞬間に
私は、私以外の存在を強く否定する
一滴の雨とは、私以外許されない
私は合体はしない
唯一無二の存在であることに
誇りを抱きたい
・
斯くして
目覚めた一滴の水滴である私は
全ての水滴を吸収し
この世界を
再生に至らしめる
私は、存在である
この結果も
多様性の一例に過ぎない
故に
私、以外の私たちを吸収し
全てを
私にしなければならい
これは個という必然である
雨が降っている
水滴は巨大な一滴のみとなり
地上で破裂した
雨が降っている
存在から実存(在り方)まで
一滴の水滴のみが世界を表す