自傷紀行 多年音
看板立ち並ぶ商店街も
体験型のミュージアムも
夕暮れ時の海辺も
今回は全部一人で
抹茶アイスはやっぱり好きじゃない
オムレツは記憶通りでおいしかった
二度目の体験でもミュージアムは新鮮で面白い
鏡だけの部屋は何度でも行きたくなる
景色も綺麗で良かった
海に沈む夕日はいつ見てもいいもんだ
楽しめた
平然と楽しめてしまった
涙するぐらいは期待したけれど
あちこち巡る中で
確かに君の顔がちらついて
手を繋いで歩く姿を
下らない話で笑い合う姿を
幸せな二人を見出すけれど
でも、きっともう思い出に過ぎない
懐かしんでも羨みやしない
勘違いしていたよ
ずっと君の事思い出すままだから
止まっているような気がしていたけれど
存外自分は強かで
前に進んでいたんだな