20220823-20220825感想です
大変お待たせいたしました。感想を書かせていただきます。
皆さん初めて作品を拝見する気持ちで書かせていただきます。どうぞ宜しくお願いいたします。
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夏よ 妻咲邦香さん 08/23
去っていく夏を恋人のように描いたのか。
はたまた去っていく恋人をを季節のように描いたのか。
「移り変わっていく」ということは嬉しいことでもあり残酷な物でもあります。季節が移っていく一抹の淋しさや切なさのような感じが、言葉選びのせいか少しレトロな色味を見せながらいい感じで表現されていると思います。
>くしゃくしゃのレシートがこぼれて落ちる
>別れの言葉は捨てるほど使ったけれど
>「さよなら」だけは何処にもなかった
ここいいな。
「さよなら」ってなかなか言えないんですよね。
たった4文字の言葉なのに確定的インパクトで、本当に決別で情を切り捨てるみたいでなかなか言えない。
また素敵な「夏」に巡り会えますように。
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一日の意味 秋冬さん 08/23
1日ってみな同じ24時間にもかかわらず、とても長く感じたりあっという間に終わってしまったりしますね。そんな中で「長さではなく重さではないのかという着眼点におぉ、そういう考え方もあるなぁと考えながら読みました。
「気の持ちよう」と言いますが、昼からパスタを1皿仕上げてワインで過ごす午後もなかなか素敵ですね。自由な考えの自由な昼下がりを楽しむ姿がまた気楽で幸せな感じがします。
「しかない」ではなく「もある」な考えが引き出せる日々にしたいですね。
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ひぐらしの杜 山雀詩人さん 08/23
宮内庁の看板!見たことがない私は一度見てみたいという興味に駆られました。日本書紀由来の山に登られたんですね。日本って不思議な国で、ハイテクな国かと思えばいつまでも神話や伝説が残っていて大切にし「心」を大切にし祈りを伝えて行って「無信教だよ」という若い方でも楽しげに神社仏閣に足を運ぶ。そんな日本の信教が意外に自分の横に自然にあるような感じが好きなんですけど、そんな風景を感じました。「あぁ、この自然の風景は凄いな」と無の気持ちでいる時って目には見えなくても横に神様が立っていて「うんうん、でしょでしょ?」と言ってるように感じます。この時はもしやそうだったのでは。
去る夏を惜しむ日暮らしの鳴き声や広がる風景が見えたような気がしました。
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私の神様 紫陽花さん 08/24
おっと、こちらも神様のお話。そして介護。
私も父の入退院、そして急に要介護3になってしまって医療行為も必要となり家では看ることが出来ないということで連日施設見学ジプシーだったりするので思わず気持ちが重なります。退院を目前にすると必ず熱を出して退院が伸びる日々に安堵したりまた新しい施設探さなきゃと暗澹としたり。きっと老親を看ておられる方には共感を呼び起こす作品ですね。私も過去にお婆ちゃんも看取ったのでダブルで思いが重なりました。
7連目から8連目、8連目から9連目が2か所2行開けになっていますが、ここは特段大きな話題の展開はないのでどちらも1行開けのままでいいと思います。2行開けるとすればおばあちゃんの話に切り替える時あたりで。11、12連目の連分けを1つ減らして語尾に「て」を加えて
>おばあちゃんが手首を骨折した時
>術後の手首が酷く痛む晩
>個室の病室で1人孤独と痛みを抱えて
>誰もいないはずの病室だったけれど
>確かにあの日左手首に温かく少し重い気配が一晩中あった
>あれは 神様だったよ
としたほうがすっきりすると思います。それかいっそこの辺りは連分けなしで。
連分けが多すぎないか、話の流れに沿った連分けになっているか書き上げた時にもう一度チェックするといいと思います。
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心音 浮遊さん 08/24
深海からぷくぷくと登っていく気泡を、心音という人間の体の動きととらえて書かれた作品ですね。
描写は素敵ですが事象の描写だけなので読みごたえはないですが言葉の選び方はいいと思います。あとはこの事象をどのような話に膨らませて読ませていくかと言うのが課題となります。何に繋げているか、風景と何とを連動させるのか、それによって更なる解を導き出し、考えながら膨らませて書いていくと読みごたえのある物に仕上がると思います。今のままだと「あー、海底から泡、上がってんなー」だけなので。
ここから広がる更なる展開を楽しみにしています。
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スマホの風景 小林大鬼さん 08/25
私、携帯やスマホ嫌いなんです。どこに居ても監視されているようで。電波や人の思惑に縛られどこまでも追いかけられているようで。そしてどこに言ってもみんな下を向き画面を覗いて押し黙っている風景は一種不気味ですよね。以前撮った写真でそんな物が撮れて「うっわ、気持ち悪っ」と思いました。
昔は電車の中おしゃべりする人あり読書する人があり寝てる人あり子供としりとりや風景を見ながら話す親子ありと多種多様で微笑ましかったりしたんですが、そういう風景は見なくなりました。
小林さんではないですが私はスマホを奥にしまって外の風景を眺めるのが好きで、街の変化を楽しむことにしています。いろんな発見がありますね。今まであった気になる焼き鳥屋さんが新しいビルの下に消えて行ってしまったとか小学校が取り壊しになったんだなとか新しい動物病院が出来てるとか。
四角の薄い機械の板に縛られないようにしたいもんです。
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おコゲの仕掛け まるまるさん 08/25
あぁ、懐かしい風景ですね。今時は年末に家族で餅つきをするご家庭は珍しくなってしまいましたが、昔はよくやりました。親戚集まってすることもありましたね。知人のお宅は今でも毎年年末は餅つきをするらしいですがさすがに臼や杵、せいろの後片付けが大変なこともあって機械でするそうなんですけど、柔らかくきめ細かい搗きたてのお餅はおいしいですよねって脱線脱線。
こういう時っておいしい部分は神様や大人や客人の物なんですよね。本当は白く柔らかいおいしいお餅が食べたいけど、それができない。特に大人の世界がすこーし見えてくると余計にできない。今言うと女性差別なんて言われそうですが、昔はそういう総じておいしくない部分は嫁や子供が食べてたりしててですね。弟くんはもしかしたら世継ぎ長男だったらそんなおこげじゃなくて大人から柔らかいふくふくのお餅を握らせてもらえたから残したのかな、とか。
みんなでわいわい楽しい行事の中、人が気づかない場所にお姉ちゃんの長女の我慢があって、そんなお姉ちゃんが子供ながらにいじらしくてぎゅっと抱きしめたくなりました。小さな子供でもいろんな物を見て、たくさんのことを考えてますよね。
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以上7作品感想でした。
今回は大変お待たせしてしまいすみませんでした。
母の時のすんなり行った施設入所と、今回の父の入・転・退院と施設への移設諸々の連携がなかなかうまくいかず行ったり戻ったりそのたびに呼び出される繰り返しで、実はまだ確定的な入所が出来ずショートステイで綱渡りの施設ジプシー状態でへろへろになっておりました。今回拝見した作品の中には自分の気持ちと重なるものが多くて読み進むごとに胸に来るものもありました。
台風が来たり、気温の急上昇急降下など諸々ありそうですが、皆様どうぞ体調には十分お気をつけてお過ごしください。
では。
藍音ななを