荻座利守様 評のお礼です。 荒木章太郎
拙作「カタコト」を丁寧にお読みいただき、ありがとうございます。佳作とのご評を賜り、大変励みになりました。
しかしながら、荻座様の解釈を拝見し、改めて自分の表現の未熟さに直面いたしました。
本作で事実として存在したのは「アナタニ、アエテ、ダイジョウブデス」という一言のみです。この不思議な日本語を耳にした際の私の空想を軸に推敲すべきでしたが、実際には「カタコト」という音とリズムに引きずられてしまいました。
私の空想では、この男性は語学留学中にお世話になった日本人女性を好きになり、告白して断られ、やがて帰国することになった。その迷いの末に彼女へ別れの電話を入れたのです。そのやりとりの一部始終を耳にした「僕」は、彼をどうにか励ましたい気持ちに駆られました。幸いにも道を尋ねられるという絶好の機会を得ながらも、事務的な応答しかできず、悔しさが残りました。
この空想を軸に描くことで、最終連の表現はさらに生きてくるのではないかと感じております。
今後もこの作品と向き合い、精進してまいります。引き続きご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。