雨上がりの光芒 多年音
雲の隙間から差し込み始めた光
徐にこちらを向く
睨んで少し目が眩む
コレはスポットライトだ
きっと傘を忘れた僕を笑うために
晒し者にするのだ
今更晴らす理由がそれぐらい思いつかない
人は大概光に希望を見出すけれど
光が必ず良心だとも限らない
救いだというならそもそも雨を降らすな
雨だってお前の仕業だろ?
そういうのをマッチポンプっていうんだ
良い奴面してるけど
僕は騙されないぞ
見えない事を良い事にめちゃくちゃしやがって
全部お前のせいなのに
真の邪悪に誰も気づいちゃいない
お前が良い奴なら
その全能でなんで世界を良くしないんだ?
ばれてんだよ
酷い話だ
本当に本当に
ガクッ
上ばかり見て石に転びかける
スレスレの地面
髪から落ちた水滴
広がる波紋
淀んだ水たまり
少しだけ嫌な匂い
冷えてきた背中
どこかの車が水を跳ねる音
まぁ、見てない自分が悪かった