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スレッドNo.6348

午後の光の中で  ゆづは

砕けた背骨を抱え
彼女はひとり
病室の白すぎる天井に
何を映しているのだろう

間仕切りカーテンをそっと滑らせ
私はマスクの下で
蒼い吐息を呑み込む

窓辺に宿る 彼女の幽かな息遣い
それは 冬を待つ静寂の重み

彼女の輪郭は滲み
霧のように ベッドに沈む

目を合わせると
口元に灯る小さな翳りが
笑みと苦痛の間で揺れる

細く乾いた指先が
シーツの上を探る
まるで 透明な水を
掬い取ろうとするかのように

ブラインドの隙間から
午後の光が差し込み
薄れゆく頬を滑り落ちる

そのとき
私の影が 彼女の胸元に落ち
まつ毛が かすかに震えた

声は 喉の奥で崩れ去り
ただ静寂だけが降り積もる

私は光に背を向けて
音を立てぬように
ゆっくり カーテンを閉じた

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