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スレッドNo.6364

鈴  aristotles200

鈴が一つ、風に揺られて鳴っている
ほのかな侘びの佇まいを感じる

鈴が一万個、風もないのに鳴っている
大音量となり、狂気を感じる

どちらが興味深いが
不可思議なもの
内に在る狂気が共鳴する

灯りのない、薄暗い大寺院の講堂
無数の鈴が天井から吊るされている
時は丑三つ刻

静寂

突然、無数の鈴が鳴り出す
何故、鳴るのかはどうでもいい
この光景が好きだ

得体不明な、奇怪な現象に対して
次に何が起きるのか
ワクワクする
と、同じく
どうして鳴るのか追求せねばならない

鈴にはピアノ線が結ばれ
闇に潜む犯人が引いてるのか
なら、その目的は

或いは、超常現象
何か出れば、天井の鈴は鳴る
何かとはなんだろう
寺院なら鬼か、何故鬼が出る
深き因縁があるに違いない

突然、無数の鈴は鳴り止む

講堂は、闇に押し込まれたような沈黙
やがて、静寂が戻る

いつ、再び、無数の鈴が鳴り出すのか
期待値と恐れ、そして謎
この間でなければならない

私は意地悪なので、このまま終わる
やがて夜は明け
小鳥のさえずりと
講堂の窓から薄明かりが差し込む

やれやれと、講堂の扉を開ける
暗闇
朝など来ていない
その瞬間
無数の鈴は、狂気を帯びたように
激しく鳴り続ける

しまった

封印されていた、何かが
講堂から出ていくのを感じる
鈴は、徐々に鳴り止んでいく

最後の鈴が鳴るのをやめる
開け放たれた講堂と
広がる暗闇

この空間に魅力を感じる
得体不明のものは
最後まで、不明でなければならない
そもそも
私は誰なのか

これも明かさず、ここで終わる

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