君への恋と愛 相野零次
君と見つめ合うと瞳に身体が吸い込まれていった
それはとても不思議な感覚で
例えていうなら秋のつむじ風が回りながら優しく包んでいくような心地よさだった
愛しているよと僕は言った
愛あるところからしか愛は生まれない
だから僕は何度でも愛を口ずさもうと思った
宇宙の果てから君の瞳の奥にいる僕まで
数万回の愛の言葉が集約されて吸い込まれていった
それはとても心地よくて
例えていうなら母の胎内へもう一度戻るようだった
恋を忘れちゃいけないよと君は言った
恋のどきどきが心臓を生かしているんだと君は言った
そこかしこで誰かと誰かがキスをしていた
みんな恋をしていた
恋をしているもの同士がキスをするのは当たり前のことだった
僕は君にキスしようと思った
君にまだ早いと断られた
発見できていないと言われた
君の心に存在する僕への恋を見つけないといけないと言われた
難しいんだなと思った
でもみんなそうしていると君は言った
僕は必ず君にキスをする
そうして君への恋を育んでいくのだろうという
そんな予感がした
白日の太陽のもとで君への愛に正直に生きていこうと思った