永遠のパレード ゆづは
オレンジの光が闇を引き裂くたび
僕は 仮面の下で素顔を隠す
ジャック・オー・ランタンの笑みが
僕の顔に重なる夜
「トリック・オア・トリート!」
遠く 誰かの声が
街の雑踏に埋もれて響く
心の中で僕は呟く──
この仮面が剥がれませんように
もう知っている
毎日が自分を消すための行進だと
偽りの顔を背負った者たちが
行き交う中で
僕もひとり無言で歩く
隣の君は微笑むけれど
僕の胸を刺す棘には気づかない
自撮り写真の瞳の奥で
一瞬 怯える僕が映る
だけど
本当に恐ろしいのは
この仮面がもう剥がれなくなり
そのまま僕そのものになること
どれだけ仮面を重ねても
虚しい祭りは終わらない
僕を縛りつけるこの道を
誰もが当たり前のように歩いていく
ねぇ、いつか
僕が僕でなくなる前に
本当の君と
もう一度 出会えるだろうか?