コーヒー・タイム つる
お湯を沸かして
紙ドリップでコーヒーを淹れることにする
午前4時半過ぎ
昨夜は比較的眠れたので
心身も爽やかな秋の朝
外はまだ真っ暗
部屋はひんやりとしていて胃を温めることにしよう
お水を入れた薬缶をガスコンロの火にかける
じょじょに薬缶の金属の匂いを感じ取り
お湯が沸いて湯気がよく立つと
薬缶と湯気の匂いが台所で一緒くたになって
私の鼻に立ち込めてきた
人から聞いた話に従って
湧いたお湯を72秒ほど煮沸消毒する
薬缶から細口ポットにお湯を移して
いよいよ淹れる
器機はマグカップに設置してある
コーヒーの粉も入れてある
1度目
30秒ほど蒸らす
コーヒーの匂いが立ち上り
匂いと温かさを鼻や体に感じ取る
鼻がまず起きる心地のする
2度目から
「おいしくなあれ」と唱えながら淹れる
これも人から聞いた話で
そうしながら淹れるとおいしくなるそうだ
軽やかにコーヒーの湯気は立ち
粉は下へとゆっくり沈み込む
飲む為に待っている訳だけど
実際は待っている時間自体も
コーヒーを飲む行為の内と気付いた
3度淹れて器機を外して
上白糖をスプーン一杯分マグカップに入れる
スプーンでマグカップの底から掬い上げるようにして
数回混ぜ合わす
自分の部屋にそれを持ち込み
炬燵テーブルの上に置いた
少し冷ます為にこれを書いている
熱過ぎると味が分からないので
そうしてゆっくりとひと口飲んだ
今朝の最初の味と香りを
ほんのひととき楽しんだ
後はすっかりと飲み終えて
胃の温まった事を確かにして
一日を始めます