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スレッドNo.6454

評ですね。10月24日〜27日ご投稿分  雨音

「通勤風景」aristotles200さん
aristotles200さん、こんばんは。大変お待たせいたしました。
いつもと同じになるはずだった通勤風景に起こった異変?大変面白く読ませていただきました。佳作一歩手前です。前回アドバイスさせていただいた「引き算を」という部分、今回は良いバランスで書けていると私は思います。詩の書き方はそれぞれですが、aristotles200さんの作品の良さはまず自分らしさという個性を持っていることです。それは書き方次第でより活きてくると思うのだけど、その一つにバランスがあります。自分の世界を大切にしつつやりすぎない、みたいな感じです。それが今回とても良かったです。一連、淡々と始まったいつもの朝、二連、なんだかおかしなことが起こり始めます。恐怖と混乱の先にあった「あれ?このイモリ僕のペット?」という転換は面白みに溢れていて、え!ニョロ?どうした?みたいな感じで引き込まれました。いいと思います。ちょっとだけ残念だったのが、ここから巨神兵が出てきた部分がちょっと違和感を感じたこと。この部分はきっと最初から骨子の一つであったはずですが、もう少しさりげない方が良いかもしれません。もしくはひと文字下げにして「ここだけ別の世界」感を作るか、と色々やってみてね。蛇足ですが、私の家にトカゲが住み着いたことがあります。今思うと冬越しだったのですが、ストーブの前で日向ぼっこしたりリラックスしたトカゲでした。チョロリと呼んでいたのです。それで、「ニョロ」にやけに親近感を持ちました。

「関係者以外立入禁止」松本福広さん
松本さん、お待たせしました。寒くなってきましたね。
関係者以外立入禁止、からこんなに多彩な情景が紡ぎ出されるのですね。とても素敵な作品です。ちょっと厳しめですが佳作一歩手前です。
前半、サーカス、水族館、ロボット工場、と童話にしたらシリーズ3部作になりそうなファンタジックな時間が流れます。ここまですごく素敵、同時に、かなりたっぷりした質量です。読む人は松本さんの世界観の中で一緒に遊びふわふわとスキップターンしてしまいそう。後半は現実に戻ってきます。実際に関係者になった側からの気持ちが最終的には「線を越える」につながっていきます。きっと松本さんが一番書きたかったのはここなのだろうなと想像しています。
松本さんはとても思考の幅が広い方で、きっと書き始めるとこれもあれもと増えていくのですが、それをまとめ上げる力があります。今回は関係者になった側からの部分が少し長くて、ここから推敲をもう少しされるのがいいのかなと感じました。これが一歩手前の理由です。ここはグッと抑え気味に書いた方が最後の線を越えるの部分がぐぐぐっと活きてくると思います。ぜひ後半引き算の推敲をしてみてくださいね。

「後悔心理」上原有栖さん
上原さん、こんばんは。
(いきなり余計なことなのですが、ここまでの三人の方のタイトルを並べてみるとなんだか想像力が掻き立てられます。短編小説になりそう。)
上原さん、前回のもぐらの時も感じましたが、なんだかご自分の世界を確立しつつあるようですね。きっと一生懸命言葉と自分の思いに結びつけて描き出してらっしゃると思います。それがすごくスムーズに感じるようになりました。バランスが良くなったと思います。なので引き込まれますね。今回はちょっと厳しい気もしますが、おまけの佳作です。最後のところですが、泣き明かした末に戻ってきた日常という大きなギャップはとても上手に描かれています。この時、母親の心境にも大きなギャップがあったはずなんですよね。そこを表現するのに最終行が少し伝わりにくかったかもしれません。例えば、本当に例えばなんですが、娘から渡されたコップが温かかったとか、安心して自分の頬を流れた涙が温かかったとか、何か生きていることが現実なんだと思う暗示があるとさらに良かったかもしれないななんて思いました。でもこれはあくまで私の発想なので、ぜひ上原さんらしく書いて欲しいのだけど。期待しているからこそのちょっと厳しく「おまけ」だということ、伝えさせてくださいね。

「母の惑星」荒木章太郎さん
荒木さん、こんばんは。お待たせしました。
大変興味深く拝見しました。母の惑星が萎縮していた、けれどもなんだか、小さいものが小さい世界を持っているわけではないような気がしてきました。それはきっと惑星という言葉の力なのかなと思います。ちょっと途中わかりにくい部分がありましたがこれも荒木さんの個性かなと思わせてしまうのがニクイですね。佳作です。本当はほんのちょっとなんだか惜しいなあって思うところがあります。すごく個性的なのでその分中盤が少しわかりにくいのです。もう少し足し算してもいいかもしれません。これは伝わりやすくするための足し算です。そんなふうに思いつつも佳作にした理由としては、なんと言っても最終連に愛があってすごくいいです。アルツハイマーになったり認知症になったりして、脳が萎縮して、記憶も感情も少しずつ萎縮していきますが、どんなに小さくなってもそこにお母さんの宇宙はあるんだなと感じることができたのが素敵でした。

「君への恋と愛」相野零次さん
相野さん、お待たせしました。夜が深まってきました。
秋ですね。ちょっと肌寒くなって恋したくなる季節でしょうか。
第一連、良いですね。恋に落ちるという感覚を「恋」という言葉を使わずにとても上手に描かれていると思います。二連からは「愛」が連発されるのですが、ここはなんだかちょっと勿体無い気がします。せっかく良い入りをした一連から一気に連発したために愛の重みがなくなってしまった?という辛辣な思いが湧いてきました。(というかそれすら相野さんの狙い通りなのかもしれないと思いながら読んだんですが)その後三連でまたぐっと締まるのですが、四連で今度は恋が多発され軽く扱われます。やっぱりこれが相野さんの狙いなのかな。そして次はキス。ストーリーの展開は独特で面白かったです。ただ、「言った」「思った」が多いかな。これを書かなくても伝わるように推敲してみると良いかもしれません。もしかしたらすでにそうされて、その二つを比較してどっちが自分の描きたい世界なのかなと考えてみて、どうしてもこのテンポを選びたい、ということなのかもしれません。それだったらそれもありかななんて、思わないこともないんですよ。ただ、今回はこの作品の背筋が見えてこなかったのです。最終行がそれだとしたら、そこだけ連分けして工夫してみてくださいね。

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今日も一日おつかれさまでした。急に寒くなって、そして乾燥していますね。
どうぞ皆様、温かくお過ごしくださいね。お風邪など召しませんように。

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