無限の螺旋 ゆづは
今、この胸にあるのは
詩を紡ぐひそかな衝動と
甘いお菓子を求める誘惑と
それが満たされぬ日々の
隙間を埋める
甘くほろ苦いキャラメリゼのように
スマホ画面の空白に
思いつくまま言葉を並べるたび
タルトタタンの
琥珀色の煌めきが揺れる
飾られた美しい言葉で満たすのか
舌の上で溶ける甘さで満たすのか
けれど
ひとつでは物足りない
どちらも容易くは手に入らない
詩を書くには
時間と心の静けさが必要
お菓子を買うには
小さな財布を開ける勇気が
ささやかな幸せを手にした後には
すぐに空虚が戻ってくる
それでもまた
言葉を綴り
甘さに触れるたび
最終連の一行を重ねながら
お菓子をもう一口、味わう
そんな欲張りな私は
無限の螺旋を描き続ける