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スレッドNo.6562

「嘘」にまつわるインタビュー  トキ・ケッコウ

1.
アメリカの写真家が僕の問いに言った
「写真で嘘をつくならどうするか」だって?
そうだな。地中もしくは海中に潜れ。
化石になった恐竜の嘆きを写せ。
できないのか?
シャッターが切れたって映ってないはずだ、そんな調子では。
光というより気持ちが届いてないのだから、な。
(英語だったからどうにか聞き取れた)
 
2.
イタリアの絵描きが僕の問いに答えた
「絵で嘘をつく方法とは」
……おお、なんて恐ろしいことを!
心のなかに入ってゆきたまえ
そこに流れる時間の行き先を追いたまえ
……できない?
それは君がただ筆を握っているだけだから
要はあの御方の指先に
君がまだ触れていない!
(まったくわからなかったが翻訳機で理解した)
 
3.
ドイツの作曲家が僕の問いに回答した
「音楽で嘘をつきたい」ですって?
音を鍋に入れて火をつけたらいかがです?
和音の感じが破綻しているところの湯気が上がってきたら
それらをよだれで音符に落としていけば
作業はほぼほぼ終了といったところでしょう
無理ですって?
それはあなたに音が見えていないからです
あるいは楽譜から音楽が聴こえていない
下手なバオリンみたいにキイキイと悲鳴が上がっているだけってことです
(古い学生時代の辞書を引っ張り出して訳した)
 

(途中の、結論)
 
知らない外国語だろうが
日本語だろうが
ことばで嘘をつくのが
きっといちばん簡単なのだ
本当のことになるまで
本気で受け取られるまで言えばいい
そうしてしまえばいくらだって
 
嘘は歩く
駆け出す
空を飛んで地に落ちる
その時
ことばは
ことば自身と遊び回ってしまった挙句
あのぐるぐるの「ちびくろサンボ」でそうなった
 
「溶けた虎」に なることだろう

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