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スレッドNo.6606

12/2~12/4のご投稿分の評です。  滝本政博

「虹の卵」  上原有栖さん  12月2日

最初から構成を考えて書かれていることがわかります。
お話の展開、語り口も上手です。
最後はもう一ひねりしてあるといいなと思いました。
虹の卵というのは素敵なイメージだと思いますが、虹は卵から産まれるのだいう関連づけがもう一つ上手く書かれていないような気がします。
ショートショート、ファンタジーと言ってもいい作品です。
といってそれを批判しているわけではありません。すべての作者は自分なりの才能と努力イマジネーションで自分の作品を書いています。それは素晴らしいことです。
また、作風(ジャンル)に固定されてしまうことの心配は、いろいろなタイプの詩をお書きの上原さんに無用でしょう。
詩はどのように書かれてもよいと思います。これからも挑戦し続けてください。
 


「真実の視界からの創作」 喜太郎さん 12月3日

人間は言葉を使って考えているわけです。この詩も言葉でもって思考されてゆきます。
何故そんな当たり前のことを書くかというと、そうやって書いているのだなと、あらためて感じさせる力がこの詩にあるからです。
「真実の視界」とは何か、「真実の視界からの創作」とは何か、との考察が詩となってゆきます。
「何を書くか」と「どう書くか」は、いつでも作品作りの課題だと思いますが、今回はこうやって作っていますということが透けて見えるような書きぶりで興味深かったです。
また、結論ありきの詩ではなく、その過程の言葉も楽しめるものになっていてよいわけですが、これは詩というものを考える時にとても大事なことですね。

初連の
<僕の見ている世界
 空から降る雨
 濡れたアスファルト
 いくつもの傘が流れる歩道
 花弁から落ちる雨垂れ>
ここは瑞々しいイメージで好きです。

第二連
<脳内で見たモノを理解し理解する>
は、言いたいことは分かるのですが違和感があります。ご一考を。

最終連は、高揚感、喜び、希望といった感情が感じられました。

佳作一歩手前とします。



「西の果て」  樺里ゆうさん 12月3日

佳作とします。
考えながら、感じながら前に進んで書いてゆくのがいいです。
思考の過程が詩になってゆくタイプの作品で、今回の喜太郎さんとの詩と共通点を感じました。詩は私的な感情をストレートに吐露してゆくもの、風雅を歌うもの等、いろいろなタイプがあると思いますが、このような詩が流行っているのかしら?
死者の国についての考察が、詩の体裁で書かれてゆきます。参考文献が示されているように、調べて書かれていることで、読者に情報を与える作品にもなっています。
構成、展開もスムーズで読みやすいです。

<天国も地獄も
 死者の国も
 人間の想像の中にしか
 存在しないのだとしたら

 西の果てと呼べる場所は もう
 心の中にしか ないかもね
 のこされた 人々の>
ここは詩の中の発見とも呼べる箇所であり、ある種のクライマックスでした。

最終連は詩的でしかも含蓄がありました。。

タイトルもいいですね。うまくつけていると思います。


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今回は評を書いていて、
詩というものの多様性、詩とジャンル、
と、いったことについて考えさせられました。
勉強になりました。ありがとうございます。

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