存在の螺旋 aristotles200
Ⅰ「帰還」
集団意識の浅ましさ
繰り返される選択と結果
万人に訪れる死という現実
人間、そのものから生じる禍々しさ
美しさ豊かさ
相反する生き残る為に必要なこと
私は憎む
不完全、不合理である人間そのものを
惨たらしい悪そのもの
生き残る限り
他者の犠牲に成立っている
その行いを
絶望が心を覆う
空腹、喉の渇き
食わずにはおられない
飲まずにはおられない
生き物、そのものに含まれる根本悪
奪え、盗め、仲間を増やせ
敵は滅ぼせ
臣従するなら飼ってやろう
利用価値がないなら捨てる
人間という動物が
この世界を支配する
心は常に欲望に苛まれ
ありとあらゆるもの、全てを
支配することを望む
人間が想像した
あらゆる悪の根源を上回る
人間そのものこそ悪、否
生きているという存在自体が悪
カオス、混沌の世界よ
私は戻りたいと思うのだ
世界が始まる前の、原初の存在へ
Ⅱ「否定」
私は全てを否定する
逆に問う
どうして善に期待するのか
生身の、その有様で善を語るのか
それこそ偽善
浅ましさよ、自己中心の化け物よ
理想の人間像など空想の類い
超人は、現れることはない
石器時代の洞窟と都心のビル街
何も変わらない、何処までも人間
否定せよ
この世界を
あらゆる存在を
私は、全てを否定しようと思う
正しさなど
存在していないにも関わらず
正しさを追い求める
善か悪ではない
悪か、更なる悪がこの世の中
存在しなければ悪は消える
悪と、相反する善とやらも消える
夢や幻を追いかけ続ける
人間の歴史
苦しみも終わる
永遠よ
平安あれ
その為に必要、不可欠だと唱えよう
否定しよう
この世界を
あらゆる存在を
Ⅲ「肯定」
世界は無意味である
何と心地よい真理であろう
唯一の正しさ、とは
あらゆる存在は無意味
ここに集約される
善悪、偽善、そして詭弁
全ては否定されねばならない
今とは
私とは、貴方とは
歴史も、未来も
無意味の構造体の一部分
ここに立たねばならない
ここが、人間の立ち位置
存在、そのものからの解放
生まれて初めての自由を得た喜び
目の前には通勤風景が広がっている
Gare d'Osaka
一日、統計上で1,028,987人が利用する
私はその1人
この数字から自らを解き放とう
ここは、私1人の為に存在している
ここは、私がいなければ存在しない
ここは、無人の原野が広がっている
私は本来の原野に立っている
何故なら
時間、空間ですら無意味であると
宣言したからだ
無人の荒れ地を歩くが如く
1人、連絡橋を歩いている
視界には数千の人間
存在は意味を持ち出した
何と心地よい世界であろう
唯一の正しさとは
あらゆる存在は、私の為に意味がある
ここに集約される
善悪、偽善、そして詭弁
全ては肯定されねばならない