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スレッドNo.6642

月夜の黒猫  ゆづは

欠けた月の銀の刃が
夜空に突き刺さり
雪は降らない
ただ静寂が降り積もり
路地を白く塗り潰す

僕は肺の底へ息を隠し
賑わう大通りを避け
足跡さえ残さぬよう
影の尻尾を引きずって歩く

曇ったガラスの向こう
灯りの洩れる窓の奥で
顔の見えぬ誰かが
声を弾ませ笑う
その響きの届かぬ場所へと
そっと耳を伏せて

今宵、眩い光の毒に
世界が酔いしれる夜
僕はその縁から滑り落ち
鈴も祈りも持たぬまま
ひそやかに 深く
聖なる闇を祝福する

やがて月が地を這い
背に影が戻る頃
祝われぬものたちが 
影を重ねる通り道で
冷えた鉄と 人の匂いを嗅ぐ

凍えるヒゲを震わせ
音もなく身を沈め
朝が来るまで
闇の温もりに抱かれて
その柔らかな感触だけを
覚えている

編集・削除(編集済: 2025年12月25日 15:11)

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