どうしようもなく 夕焼ける HIROSHIMA 詩詠犬
夕暮れ時
橋の中途で眺めたら
向こうの空が夕焼けている
ああ 綺麗な夕焼けだあ
などと 呑気なことは言ってられない
真っ赤な涙が滴りおち
その涙で 辺りがずぶ濡れている
どうしたのだろう この有り様は
恐怖に慄き
悲嘆に暮れているのか
夕焼けの閾値をこえてしまって
もう 普通の夕焼けには戻れないようだ
そして まもなくして 闇があらわれ
その狂気を 必死になって覆い尽くそうとしている
何事もなかったかのように
夜空の奥深くに 埋めてしまおうと
キラキラ星の描かれた
書き割りパネルをも持ち出して
とにかく 覆い尽くそうとしている
しかし だ
明日になれば 夕暮れになれば
また どうしようもなく
とてつもなく 夕焼けるだろう
明後日も
明々後日も
ずっと ずっと