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スレッドNo.6742

沈黙の真珠  ゆづは

深海にたゆたう 紺碧の虚無
わたしの歌声は 
海鳴りのように満ちて
軋む心の旋律となる

渇望は 闇の底にひそみ
微かな光へと 手を伸ばす

祈るように 希うように
ただ あなたを待ち続けた
けれど その残光さえも
泡となり 音もなく消え失せて──

潮騒を越え 浮かび上がる船影
孤独という名の 錆びついた錨が
この躯(からだ)を縛りつける

やがて 嵐は凪いで 
静寂が海を支配する
捕らえた帆影は 白く砕け 
波のまにまに散りゆく

残ったものは 剥がれ落ちた鱗と
冷えた指先だけ
あなたが立っていた
濡れた甲板の跡を
月の光が青白く暴く

ただ愛したかったのか 
それとも壊したかったのか
その問いさえも 
寄せては返す波にさらわれ

答えは 言葉になる前に
喉の奥で 一粒の真珠に変わる

編集・削除(編集済: 2026年01月13日 01:02)

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