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スレッドNo.6773

あなたの歩幅で  ゆづは

あなたは
誰もが家路を急ぐ 夕暮れの道で
立ち止まっては 何度も
靴ひもを結び直していた

みんなが
当たり前に渡っていく橋も
一枚ずつ 板が軋まないか
耳を澄ませ
そっと足を置いていた

それは
怖がりだったからじゃない
この世界を
傷つけないための
慎重さだったんだね

言葉は
いつも少し 遅れて届いたけれど
指先に触れた その熱を
誰より深く 受け取っていた

笑えなかった夜も
うまく答えられなかった朝も
あなたは
声にならない自分の心に
そっと話しかけながら
今日という日を 抱きしめてきた

「生きづらさ」なんて言葉が
ようやく世の中に現れても
あなたの歩き方は
もう そのままでいい

遠回りに見えた道は
いつのまにか 
柔らかな広がりになって
転ばないように確かめてきた足跡は
誰かを包む 優しさになった

これからも
急がなくていいよ

みんなと競う速さより
何も壊さない その速さを
あなたは今まで
選んできたのだから

不器用な その足音を
私はずっと 聞いているから

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