詩と真実 静間安夫
こころから
恋した人に
語りかけるとき
きっとあなたの愛は
詩の紡錘になるだろう
こころから
美しいといえるものを
見たとき
きっとあなたの感動は
詩の絵筆になるだろう
こころから
正義を求め
不正を憎むとき
きっとあなたの怒りは
詩の鋒になるだろう
こころから
謙虚になり
この世界を受け容れるとき
きっとあなたの優しさは
詩の揺り籠となるだろう
こうして
あなたの愛、
感動、
怒り、
優しさが
心底からのものである限り
あなたの言葉は詩となって
周りの人々のこころと
響き合う
だから
今一度
思い起こしてほしい
詩とは真実だということを
もちろん
この真実は
客観的なものとは違う
あくまで個人的なものに
過ぎないかもしれない
けれども
個人的な真実を
突き詰めていけば
やがては
普遍的な真実に昇華することを
疑ってはいけない
あなた自身の
こころの奥底に
よく耳を傾けてほしい
そして
汲み取った真実を
言葉にしてほしい
その言葉こそ
純粋に個人的なものでありながら
却って多くの人々を
惹きつける詩になるのだから
詩とは
幸福な逆説なのだ